<校長室より>修了式&壮行会

2021年3月25日 17時40分

<修了式 式辞>

 3年生が卒業し、少し寂しい思いで過ごした1週間でしたが、1年生、2年生ともに、進級することの自覚が芽生えてきた1週間でもあったと思います。

 本日、令和2年度の修了式を迎えました。3学期は終業式ではなく、令和2年度の修了式ということで、先ほど代表者に修了証をお渡ししました。皆さんにもこの後の学活で担任の先生から渡してもらいますが、いつもの通知表の裏に修了証というのがあります。先ほど読んだように「今の学年の課程を修了したことを証する」ということで、校長印を押しています。ない人は進級できませんので、確認してみてください。

 さて、明日からの春休みは、この1年間を振り返り、次の学年に向けての準備をしてほしいと思います。著書『置かれた場所で咲きなさい』で有名な、ノートルダム清心学園の理事長であった渡辺和子さんは、「時間の使い方は、そのまま命の使い方になる。」と言っています。まだ若い皆さんにとっては、自分自身の時間は無限にあるように思うかもしれません。しかし、2年生にとって、進路、すなわち「受検」というものを考えた時、今の2年生に残された時間は1年もありません。それまでの時間の使い方が、その後の人生を大きく左右します。また、部活動のことを考えてみると、運動部は6月の初めには今治・越智の総体があり、残された時間は、2ヶ月余りです。残された時間は、どの中学生も同じです。その時間にどれだけ自分を磨けるかが勝負です。

 また、2週間後には新入生が入学してきます。今の1年生にとっては、中学校での初めての後輩です。後輩にとって良いお手本となるようにしてください。また、部活動や生徒会活動など、先輩である今の2年生が引退後に学校の中心となっていくようになります。先輩の後を継げるよう、1分1秒を大切にして過ごしてください。

 それでは、4月の始業式には、元気な姿で好スタートが切れることを願って、式辞とします。

 

<壮行会 激励の言葉>

 まずは、愛媛県選抜チームの一員として富山県で行われる全国大会に明日から出発する男女ソフトテニス部の4名、そして、愛媛県代表校として三重県で行われる全国大会に29日の離任式後に出発する男子ソフトテニス部の8名、また、部活動ではありませんが硬式野球の愛媛県代表クラブチームの一員として東京で行われる全国大会に今日から出発する1名、全国大会出場おめでとうございます。

 しかし、今回の全国大会はゴールではなく、夏の大会に向けての新たなスタートとしてください。自分の今までの実力が全国でどれほど通用するか、臆することなく全力を出して切ってください。そして、そこで得たものや感じたことをお土産といて持ち帰り、みんなに伝えてください。ただ、新型コロナウィルス感染症が再び増加しつつあります。試合の時以外は感染防止対策をしっかり行い、ウィルスだけはお土産として持ち帰らないよう、気を付けてください。

 また、部活動全体のことですが、春休みは顧問の先生がつけない日も多くありますが、キャプテンや部長、また、その代わりの人を中心にまとまり、集中して練習や活動に取り組んでください。

 

 

<校長室より>卒業証書授与式 式辞

2021年3月17日 14時15分

 厳しい冬を乗り越え、校庭の木々にも春の訪れを告げる気配が漂ってきました。

 今日のよき日に、今治市玉川支所長様をはじめ、PTA役員や保護者の皆様にご臨席を賜り、このように厳粛に、令和二年度第六十四回卒業証書授与式を挙行できますことに対し、厚く御礼申しあげます。

 

 まずは、本日めでたく卒業の日を迎えた、二十二名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。先ほどの卒業証書授与の時、担任の大澤圭吾先生が皆さんの名前をしっかりと呼んでくれました。圭吾先生にとっては皆さんが最後の卒業生です。皆さんはそれに精一杯の返事で答えてくれました。

 

 皆さんは、ご家族の温かい励ましや地域の皆様に支えられながら、九年間の義務教育を無事終了しました。多くの思い出と、夢や希望を胸に本校を巣立っていきますが、励まし支えていただいた、多くの皆様への感謝の気持ちを忘れないでください。また、苦しい時も楽しい時も、共に励まし合った仲間は、一生の宝物です。十年先、二十年先も、良き仲間として互いに支え合ってほしいと願っています。

 

 さて、昨年度末から今年度は新型コロナウィルスの影響でたくさんの行事や活動が中止になったり縮小されたりしました。そのような中でしたが、私は皆さんからたくさんの笑顔や感動をもらいました。多くの大会やコンクールが中止になり、目標を失いながらも、最後まで練習に汗を流し、頑張った部活動。午前中だけの半日開催となりましたが、団長を中心に朱雀と青龍の二つのグループで一致団結をし、競い合った運動会。特に印象に残っているのは、文化祭での有志発表。皆さんがこんなにも芸達者だったとは驚きました。もちろん合唱コンクールもクラスが心を一つにして歌い、最高のハーモニーでした。

 コロナ渦の中、明るく楽しく頑張った皆さんに「人間万事塞翁が馬」ということわざを紹介します。

 

 むかし、塞(とりで)のそばに住んでいるおじいさん、いわゆる塞翁さんが飼っている馬が逃げ出してしまいました。近所の人が気の毒に思っていましたが、塞翁さんは「このことが幸運を呼び込むかもしれない」と言いました。

 しばらく後に、逃げ出した馬が、別の立派な馬を連れて戻ってきました。近所の人が感心していると、塞翁さんは「このことが禍(わざわい)になるかもしれない」と言いました。

 すると、塞翁さんの息子がこの馬から落ちて足を骨折してしまいました。近所の人がお見舞いに行くと「このことが幸いになるかもしれない」と、塞翁さんは言いました。

 やがて、戦争が起き、多くの若者が戦争にかり出されて命を落とすことになりましたが、塞翁さんの息子は足を怪我していて戦争に行けなかったため無事でした。

 

 という中国の古い話がもとになってできたことわざが「人間万事塞翁が馬」です。「世の中のことはすべて何が幸いして何が災いするか分からないものです。何かあった時に、村人の様に一喜一憂するのではなくて、塞翁さんの様にどっしり構えよう。」ということです。

 皆さんのこれからの人生、いろんなことがあると思います。皆さんそれぞれに「塞翁が馬」があると思います。いいことばかりではなくて、一見大変なこともきっと起こると思います。その時は是非、この「塞翁が馬」ということわざを思い出し、「いや、これはチャンスかもしれない」と、そんな風に考えてもらいたいと思います。逆に、いいことが起こった時は油断せずに自分自身を戒めるようにしましょう。

 

 終わりになりましたが、保護者の皆様、本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。9か年の義務教育を終え、それぞれの道に向かって歩んでいこうとしているお子様の姿に、感慨もひとしおのことと拝察いたします。皆様にとってかけがえのないお子様を3年間お預かりし、十分に行き届かないこともあったと思いますが、私たち教職員一同、誠心誠意努力して参りました。3年間、PTA活動はもとより、各種学校行事など本校の教育活動に深いご理解と温かいご協力を賜りましたことに対しまして、心より感謝申し上げます。今のような状況がいつまで続くか分かりませんが、この状況を乗り越えた子どもたちが、未来に向かって明るくたくましく成長することを願いまして、式辞といたします。

 

<校長室より>玉川グルメ情報

2021年2月20日 11時50分

 いつもお世話になっている栄養教諭の先生が本校の給食について執筆したものが、教職員向けの冊子「今治・越智の教育」に掲載されましたので紹介します。

 

--玉川グルメ情報--

 

 玉川中学校の生徒は八十三名。教職員はベテランの先生方が多く、とても落ち着いた雰囲気で、先生方は一番若いアラサーの私を娘のように思って温かく接してくれます。…失礼しました。そんな先生方は生徒たちを、愛情たっぷり下の名前で呼びます。もちろん私もです。栄養教諭の私が最初に覚える生徒は、食物アレルギーをもつ生徒です。そして、食べ物の好き嫌いが多い生徒、よくおかわりをする生徒、給食時間ギリギリまで食べている生徒…。給食の時間だけでも、いろいろな個性が見える玉川中学校の生徒たちです。

 そんな玉川中学校に赴任して二年目、玉川のおいしいものについて紹介したいと思います。自然豊かな玉川には、見渡す限りに田んぼや畑が広がっています。さらに山に向かうと、まこもたけや、しいたけ、ブルーベリーの栽培も盛んです。国道沿いには、おいしいパン屋や人気のうどん屋、ラーメン屋などもあります。それから、玉川ダムカレー。玉川ダムの形をしたカレー皿に盛り付けられているユニークなカレーです。お店によって味や材料は様々ですが、夏季休業中に私がいただいたスパイシーなダムカレーは、地域の方が作って販売しています。地域の食材を生かして地域の方が作ってくれるカレーは特別です。そして何より、玉川のおいしいもので、忘れずにアピールしたいのは学校給食!玉川中学校の生徒は、「コーンは入れないで~」「サラダにツナは入れないでね!」など、好き勝手なことをいろいろと言ってくれますが、残食はほとんどありません。(もちろん、コーンもツナも使います。)各クラスの人数は決して多くないのですが、給食が余ったときには、高倍率のジャンケン大会が開催されることもあります。玉川中学校の給食の様子は、給食調理員さんに毎日伝えています。この給食時間エピソードは学校から帰ってくる空っぽの食缶とともに、調理員さんのモチベーションを高めています。(と思っています。)

 玉川調理場は、学校から少し離れています。そのため、毎日給食を作ってくれる調理員と、毎日給食を食べてくれる生徒は、近い関係に見えて、顔を合わせることも話をすることもありません。先日、ある生徒が調理員さんへメッセージを書いてくれました。すると、調理員さんからお返事が!今後も、このようなつながりを大切にしながら、地域食材を生かした地域ぐるみの学校給食を目指したいです。「〇〇は入れないで!」は受付けできませんが、「〇〇が食べたいな!」というリクエストは大募集です。のびのび明るい玉川の子どもたちが大好きです。いつも、楽しくおいしく給食を食べてくれてありがとう。子どもの心身の成長をしっかり支えていけるよう、私自身もおいしい給食を提供できるスキルを磨いていきます。

<校長室より>少年式 式辞・お祝いの言葉・誓いの言葉

2021年2月3日 14時01分

<式辞>校長

  厳しい寒さの中にも梅のつぼみが膨らみ始め、春の訪れを感じさせられる季節となりました。

  少年の日を迎えられた2年生の皆さん、おめでとうございます。

 少年の日というは、暦の上で冬が極まり春の気配が立ち始める立春の日に、昔の元服にならい、皆さんの成長を祝うとともに、これからの人生をよりたくましく生きていけるように、皆さんを励ます日です。今までの自分の生活を見つめ直し、今まで自分を支えてくださった方々に改めて感謝し、スローガンである「自覚・立志・健康」について考え、自分の将来に向けて誓いを新たにしてほしいと思います。

  さて、今年の少年の日を祝うこの少年式は例年と違う点が二つあります。一つは皆さんご存じのように、新型コロナウィルス感染症対策のために保護者や来賓の方を招待せず、また寒さ対策のためにこの玉の和で行う点です。さて、もう一つは分かるでしょうか。それは2月3日に行うことです。今までも立春の2月4日が土曜日や日曜日の休日であったため、2月3日や2日に行ったことがありますが、今年の2月4日は休日ではありません。では、どうしてでしょう。それは今年の立春が2月4日ではなく、2月3日なのです。科学的に言うと、立春は「太陽黄経が315度になった瞬間が属する日」で、今年はその瞬間が今日2月3日の23時59分。いつもの2月4日の1分前です。これは124年ぶりだそうです。

 このように、今まで当たり前であったことが実は当たり前とは限りません。将来、人工知能AIの発達により半数近くの仕事が自動化され、皆さんの多くは今は存在していない職業に就くようになるかもしれません。このような予測できない未来に対応するためには、社会の変化に受け身で対処するのではなく、主体的に向き合って関わり合い、その過程を通して、一人一人が自らの可能性を最大限に発揮し、よりよい社会と幸福な人生を自ら創り出していくことが重要です。

 このことに関係する、ヨーロッパに伝わる「3人のレンガ職人」のお話を紹介します。

 旅人がある町を歩いていると、レンガを積んでいる職人が3人いるのを見かけた。

 旅人は最初の職人に「何をしているのか。」と尋ねた。すると最初の職人は、「見ればわかるだろう。親方の指示で、レンガを積んでいるのだ。」とぶっきらぼうに答えた。

 旅人は二人目の職人にも尋ねた。二人目の職人は、「収入を得るためだ。レンガ1個につき幾らと、がんばった分だけお金がもらえるからね。」と答えた。

 旅人は三人目の職人にも同じ質問をしてみた。三人目の職人は、「皆が集まる教会を作っているのさ。私はみんなの幸せのためにレンガを積んでいるんだよ。」と答えた。

 という話です。先日皆さんは職場体験学習をしましたが、自分は何人目のレンガ職人の気持ちで働いたでしょうか。また、普段の学習や部活動はどうでしょうか。

 見た目は同じ仕事をしていても、それぞれの仕事に対する目的や意識の違いが、仕事の成果やその人の将来に影響してくると思います。レンガを積む事自体を目的だと思っていやいや仕事をする職人よりも、お金を得ることを目的だと思って仕事をしている職人の方が、頑張って仕事をしていることでしょう。そして、みんなの幸せのために教会を建てているんだと意識してレンガを積んでいる職人の方が、気持ちのこもった丁寧な仕事をして自分も幸せを感じていることでしょう。

 今日、少年の日を迎えるにあたって、皆さんは、これまでの自分を振り返り、これから何をすべきか、どんな人を目指すか、見つめ直していることと思います。今やっていること、これから取り組もうとしていることに対して、どんな目的や意識で向き合いますか?普段の学習もそう、部活動もそう、将来の仕事に対してもそうです。「やらされてやる」のではなく、何のためにやるのかしっかりとした目的をもち、さらに、やることの価値や意義を意識して取り組んでほしいと思います。

  2年生の皆さん、君たちの可能性は、はてしなく広がっています。皆さんが、予測できない未来に対して、受け身ではなく、目的や意識をもって主体的に向き合い、自らの人生を切り開いていくことを願って、式辞といたします。

 

 <お祝いの言葉>1・3年生代表

 梅の蕾が春を告げる季節となりました。この立春のよき日に、少年式を迎えられた二年生のみなさん、おめでとうございます。みなさんの凛とした表情から、大人へと一歩近づいたたくましさを感じ、先輩としてとてもうれしく思います。

 少年式は、これまでの自分を見直し、これからの自分を更に成長させるよい機会だと思います。いままでの成功や失敗を生かして、毎日を大切に、ひたむきに歩んでください。

 二か月後にはみなさんは最高学年となり、学校全体を引っ張っていく立場となります。時には大変なこともあるかもしれません。しかし、みなさんは今までもこれからも、一人で生きていくわけではありません。家族や友人など、頼れる人が必ずいます。

 「自立」とは、他人と支え合える用意ができているということです。周囲の人と助け合いながら、感謝の気持ちを忘れず、しっかりと歩んでいってください。

 みなさんが今日を節目とし、夢と目標に向かって前進することをお祈りし、お祝いの言葉とします。

 

 <誓いの言葉>2年生代表

 ほのかに香る梅の香に、春の柔らかな気配を感じる今日、私たちのために心温まる少年式を挙行して頂きありがとうございます。

 私たちは、「和す」「磨く」「結ぶ」の校訓のもと、玉川の美しい自然に抱かれながら、毎日の授業や季節ごとの行事に意欲的に取り組み、縦に横にと確かな絆を紡ぎながら、充実した学校生活を送ってまいりました。

 しかし、二〇二〇年。新型コロナウィルスによって、当たり前にあった日常が、笑顔が次々に奪われていきました。

 緊急事態宣言による突然の休校。私たちはお世話になった先輩方にお礼も言えないまま進級し、短い中学校生活の約二か月を失いました。どこにも行けない、会いたい人にも会えない。そんな状況が続き、私は心にぽっかり穴が空きました。

 初夏の風が吹く頃、授業が再開され、秋には「新しい生活様式」のもと、運動会や新人戦で競い合い、修学旅行で友情を深めました。文化祭やアンサンブルコンテストでは練習の成果を披露することもできました。

 先生方や家族、地域の方々のおかげで、少しずつ目標に向かって努力できる日常が戻ってきました。

 そこで、この少年式を機に、自分はこれからの人生をどう歩んでいくのか考えてみました。

 人と接することが好きな私は、将来ウェディングプランナーになりたいと考えていました。でも、この一年、命の尊さと向き合う中で、自分の長所を困っている人のために役立てたいと思い始めました。

 「オンライン」で人と繋がる「新しい生活様式」の中で、春の私のように虚無感に襲われたり、SNS上の誹謗中傷で傷ついたりした人に寄り添える仕事がしたいと、今は養護教諭になることを考えています。

 作家の米澤穂信さんは著書『王とサーカス』で「悲劇は娯楽として消費される」と言っています。私は、誰かの悲劇を娯楽として消費したり、観客になったりせず、命に対して常に責任のある行動のとれる大人になりたいです。

 今、私たち二十九人は、それぞれが夢を持ち、その実現に向けて日々努力を重ねています。当たり前だと思っていた日常が急になくなる、それを経験した私たちは、我慢と忍耐を知っています。

 これを強みとして、今ここに、命を重んじ、自分の言葉と言動に責任を持ち、希望溢れる未来に向かって努力し続けることを約束し、誓いの言葉とします。

<校長室より>第3学期始業式 式辞

2021年1月8日 17時28分

 新年、明けましておめでとうございます。 

 13日間の冬休みが終わり、今日から3学期が始まりました。皆さんの元気な姿が見られてうれしく思います。冬休み、少しはゆっくりと過ごせたでしょうか。大掃除やお手伝いなど、家族への感謝の気持ちを行動で表せたでしょうか。

 今年は、丑年ですね。おっとりと草を食べる、のんびりとした姿が思い浮かぶ牛。でも実はとても力持ちで、日本では昔から荷物を運ぶための労働力として、人の生活に欠かせない大切な動物でした。勤勉によく働くその姿が、「誠実さ」を象徴し、縁起の良い動物として十二支に加えられたとも言われています。そんなことから、丑年は先を急がず一歩一歩着実に物事を進めることが大切な年と言われています。また、牛は大変な農作業をしっかり手伝ってくれる働きぶりから、丑年は「耐える」、「これから発展する前触れ・芽が出る」というような年になると言われています。結果を求める時期ではなく、結果につながる道をコツコツと積み上げていく時期とされているようです。

 1月は1年のスタートであり、3学期はそれぞれの学年の仕上げをするときでもあります。3年生は、自分の進路の実現に向けていよいよ大詰めの時期です。1・2年生は、これまでがんばってきたことをもっと伸ばそうとか、苦手なことを克服しようとか決意した人も多いと思います。しかし、どんな人の心にも怠ける心があり、なかなか続かないものです。しかし、牛のように黙々と目の前の事をこなすことが、将来につながります。未来の自分は今の自分の頑張りに感謝をすることでしょう。未来の君に感謝をされる、今の君たち。今できることを精一杯頑張りましょう。

 新しい年の出発に当たり、皆さんがしっかりとした目標をもって、一歩一歩確実に進み、充実した1年となることを願って、式辞といたします。

<校長室より>生徒集会での話

2020年12月25日 11時36分

 まずは生徒会役員のみなさん、1年間ご苦労様でした。今年は新型コロナウィルス感染症のため、みんなの気持ちも沈みがちになるなか、色々と楽しい企画を考え、実行してくれました。他の3年生も委員会の委員長やグループの団長など、学校をまとめ、盛り上げてくれました。ありがとうございます。3学期からは2年生が中心となって、生徒会活動を充実してくれると思います。3年生は安心して、自分の進路の実現に向けて頑張ってください。2年生の皆さんは生徒会役員だけでなく、全員でこの玉川中学校をまとめ、盛り上げていくようお願いいたします。

 

<校長室より>第2学期終業式 式辞

2020年12月25日 10時42分

 長かった2学期も今日で終了します。新型コロナウィルス感染症が心配される中、感染防止対策に取り組みながら、2学期はたくさんの行事を行うことができました。

 振り返ってみると、9月の運動会では、玉中行進や各学年の団体競技、ダンスなどみんなが一致団結し、熱心に取り組むことができました。午前中だけの開催でしたが、その分集中し、立派な演技ができました。10月には新人大会や1年生の大洲宿泊研修、2年生の修学旅行があり、1・2年生にとっては、仲間との連帯が強くなる貴重な経験になったことと思います。11月の文化祭も半日開催でしたが、3年生が中心となって企画・運営し、多くの感動と笑いを与えてくれました。中でも、合唱コンクールでは、みんなの気持ちが一つになり、玉川中学校の伝統と誇りを感じることができました。12月の生徒会役員選挙では、2年生からたくさんの人が立候補し、頼もしく思いました。

 さて、明日から13日間の冬休みに入ります。冬休みの過ごし方については冬休みのしおりやこの後の先生からのお話をよく聞いて、元気で充実した冬休みにしてください。また、年越しもありますので、家族ともゆっくりと話をしてほしいと思います。

 アメリカやイギリスなどでは新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が始まりましたが、まだまだ先が見えなくて、不安なことだらけだと思います。しかし、「いつだって未来は味方」です。確かに未来は見えないし、誰にも分かりません。先が見えなくて、どれくらい前に進んだのか、どこへ向かっているのかさえも分からないかもしれません。でも今は、目の前のできることをただがむしゃらに取り組み、 一歩一歩前に進み、そうして辿り着いた先に、未来はあなたの味方としてきっと待っていてくれるはずです。「いつだって未来は味方」です。

 それでは、ゆく年を振り返り、くる年に願いをかけ、清らかな心で新しい年を迎え、玉中生82名全員が元気な顔で、目標をもって3学期がスタートできることを願って、式辞といたします。

<校長室より>生徒会役員選挙でのお話

2020年12月14日 14時54分

 まずは、今回の生徒会役員選挙に、8名もの人が立候補してくれたことは大変すばらしいことです。生徒会役員は、今の3年生の役員の人を見ても分かるように、みんなのためにどうすれば楽しく充実した学校生活を送ることができるかを考え、実行していくという役割があります。特に文化祭やクラスマッチなどの生徒会行事は、生徒会役員が中心となって企画運営するもので、玉川中学校にとって大変有意義なものです。そのためにも、今回の生徒会役員選挙は誰を役員にするのかを決める大切な選挙です。投票する皆さんは、生徒会活動をより充実したものとなるよう、真剣に考えて投票してください。校長先生は、この中の誰がなっても、立派にやってくれると思っています。

 この生徒会役員選挙にはもう一つ大切な目的があります。それは、実際に選挙権を持ち、政治に参加する有権者としての意識をもつきっかけにしてほしいということです。まだ先のことと思っているかもしれませんが、君たちが有権者となる年齢は18歳です。3年生は3年後です。それまでに政治に参加する意識が備わっていなければなりません。そのため、民主主義の基本である選挙を正しく理解できるよう、この生徒会役員選挙を実際の選挙に近い形で行っています。選挙の告示をはじめ公正、円滑に選挙を進めるための選挙管理委員会の活動や、立候補者や応援者の選挙運動などを通して選挙活動を行うこと。また、投票は実際の選挙で使用している『投票箱』や『投票記載台』などの選挙用具を今治市選挙管理委員会からお借りして行います。今回の生徒会役員選挙を、有権者としての心掛けをつくるきっかけにしてください。

 最後になりましたが、9名の選挙管理委員会の皆さん、今まで準備などご苦労様でした。引き続き、この後の運営などをよろしくお願いいたします。

<校長室より>東予地区人権・同和教育研究協議会 助言

2020年11月18日 09時02分

東予地区人権・同和教育研究協議会(R2.11.17)学校教育部会 中学校教育分科会 2年授業報告・研究協議 助言

 

 今年度は新型コロナウィルス感染症対策のため、皆さんは実際に授業を見ずに報告を基にして研究協議を行うということでやりにくかったと思いますが、たくさんの方に意見や思いを発表していただき、ありがとうございます。

 私は司会者と共に、先々週の金曜日に実際に授業を参観せていただきました。授業報告にあったように、学級の生徒たちはみんな仲が良く、落ち着いて授業に取り組んでいました。そして、西光万吉さんの生き方に思いを巡らせ、部落差別に対する怒りや憤りを感じ、自分自身の生き方を見つめ直す時間になったと思います。最後に授業者の熱い思いを語っているときの生徒たちの真剣なまなざしが、それを物語っていました。この時間内には、生徒たちは自分自身のこれからの生き方を周りに発言する機会はなかったのですが、次の授業で生徒全員一人一人がこれからの自分の生き方を発表し合ったということで、自分の思いを言葉で語ることができたのだと思います。こちらの授業も見てみたかったです。やはり自分の意見や考えを学級内で堂々と発表することやそれができる雰囲気づくりが、この部会の協議題である「差別や偏見を解消する意識をもってつながり合う仲間意識を高める活動」になり、差別解消のための実践力の第一歩になるのではないかと思います。授業者の質問①に「そのような集団にするために、どのような手立てが有効であるか」とありましたが、それはたとえ発言者の意見や考えが正しくないと思われた場合でも、その思いを受け止め、発言者を尊重して落としめることのないよう、それに対して自分の意見を堂々と発表し、話し合うことができることだと思います。そのためにも親や教員など大人の発言や行動が手本になってきます。皆さんは失敗した子供に対して、「それはちがう」とか「こんなことも分からないのか」など子供を傷つけるような発言をしていないでしょうか。それがその集団の雰囲気になり、これでは自信をもって発表できる集団にはなりません。

 その点、授業者は子供の発言をすべて受け止め、尊重しながらも間違っていることは正しく修正し、授業を進めていました。この態度や行動が、人権・同和教育そのものなんだと思います。普段の授業や生徒への接し方も同様ならば、この学級は自信をもって発表できる集団に段々となっていくことでしょう。

 また、質問②の賤称語の押さえとしては、授業報告にあったナイフのたとえは、具体的で生徒たちにもよく分かったと思います。皆様からご意見もとても参考になり、私も勉強になりました。ありがとうございます。

 

 差別がいけないことはみんな分かっていると思います。そして、差別を意識的にしようと思ってしている人はほとんどいないと思います。でも、自分が気付かないうちに差別していることが多くあります。皆さんは自分は差別をしていないと自信をもって言えますか。言える人はもしかして気付いていないだけなのかもしれません。差別しないためには、物事を科学的に正しく知ることと相手の心情を思いやり、より添うことが大事です。小さい頃から、「自分がされて嫌なことはしない」と教えられ、今は子供に言っていると思いますが、自分の嫌なことと相手の嫌なことは同じとは限りません。「相手がされて嫌なことはしない」ためには、相手を正しく知るために関心をもち、相手の心情を思いやる感性を高めていきましょう。そして、自分は差別をしてるかもしれないと、客観的に自分自身を見つめ直してみましょう。

 ときとして、相手のことに関心をもたず、十分に知らないままでいると、偏見や思い込みをもつことがあります。現在坊ちゃん劇場で「鬼の鎮魂歌」という作品を上演しています。この作品は、日本を代表する民話である桃太郎伝説を題材に創作されたものです。幼い頃に私が知っていた桃太郎の話は、ドンブラコドンブラコと流れてきた桃から生まれた桃太郎が、鬼ヶ島へ鬼の討伐に行くお話です。おそらく皆さんもそう思っているのではないでしょうか。でもどうして鬼は征伐されたのか。本当に悪いことをしていたのか。私の知っている桃太郎の話とは全く違っておりました。これ以上言うとネタバレになってしまうので言いませんが、この作品を観て、なぜ差別が起こるのか、なぜ争いが起こるのか、について改めて考えさせられました。このような作品を観ることも立派な人権・同和教育になるのではないかと思っています。まだ観られていない方はぜひともご覧ください。

 話が少しそれたので、もどします。差別しないためには物事を科学的に正しく知ることと、相手の心情を思いやりより添うことが大事だと言いました。でも、それだけでは不十分です。差別だと気づいた時には、その場でその差別をなくための行動をとることが大切です。「差別をしない」から「差別をなくす」という、「思い」から「行動」に移すことが、今、私たちに一番求められていること、必要なことだと思います。思いだけでは何も変わりません。授業の最後に、子どもたちに、今、自分にできる行動を考えさせるのは、普段の日常生活の中で行動していくことが大切だからだと思います。

 

 また、今年の前半はコロナ差別・・・新型コロナウイルス感染症に関連して,感染者・濃厚接触者,医療従事者やその家族等が、誤解や偏見に基づく不当な差別的取扱いを受けるなど許せない事例が報道されました。中世の鎌倉~室町時代に災いが多く起こり、「ケガレ」を「キヨメ」る役割を果たしていた人々に対する畏敬の念が、畏怖へ、賤視へと変わっていったこととよく似ています。それは、人間は災いやウィルスなど見えない敵への恐怖から生き延びようとする本能が、ケガレやウィルス感染にかかわる人を見える敵と見なし、自分の身の回りから排除することで安心感を得るということです。この点において、中世の差別と今回の差別問題とはかなり似ていると思います。今では、科学的に新型コロナウイルスの正体が理解できているので、そのような差別は減ってきていますが、昔は災いの正体が分からず、差別が続いていたのだと思います。もっと言えば、コロナウイルスは、科学的に拡大すれば見えますが、部落差別の原因は科学を使っても見えません。見えるはずはありません。そこには何もないのですから。この点からも、差別の根源は制度にあるのではなく、むしろ人間の心の中にあるのではないでしょうか。

 

 皆さんご存じのように、水平社宣言は、日本における唯一の人権宣言であり、「人の世に熱あれ、人間(じんかん)に光あれ」という言葉に表されるように、全ての人が自らの差別意識から解放されることによって、人と人とが尊敬し合える社会が実現できると述べています。差別は差別する人がいるから生まれる。しかし、差別する人を悪の原因と決めつけて終わるのではなく、なぜ差別するのかにまで考えを巡らせ、差別をなくすにはどうするかを考え、行動していきたいものです。先ほど「人間(にんげん)に光あれ」ではなく「人間(じんかん)に光あれ」と読みましたが、もともとはこのように読んでいました。人間に個別に光があたるんじゃなくて、人と人の間の万物すべてに光があたることで、人と人が平等になるという意味なのです。

 

 「部落差別の解消の推進に関する法律」が施行されて4年が経過しようとしています。人権・同和教育の推進は目的ではなく手段です。目的は「部落差別のない社会を実現すること」にあります。もっと言うと、教員は人権・同和教育の授業をすることが目的ではありません。その授業をすることで、子どもたちが部落差別をなくしていくために、地域の方たちと共に、差別をなくすための行動ができるようになり、最終的に部落差別のない社会を実現することが目的なのです。

 本日この場には学校の先生方が多くおられると思いますが、

①部落差別の解消に向けて歴史的背景から被差別部落の現実に深く学ぶ。

②教える側が部落差別をなくす側に立つ。

③生徒たちと向き合い、そして、地域の方々と力を合わせる。

このようなことを通して、教職員が人権・同和教育を推進し、差別に立ち向かい解消していこうとする生徒を育てていきましょう。

 

 以上です。

 

<校長室より>11/17朝礼

2020年11月17日 09時44分

 まずは、表彰された皆さん、おめでとうございます。特に男子ソフトテニス部は、愛媛県1位ということで、とても素晴らしいです。これからは、君たちを目標にたくさんのチームが頑張ります。目標となるチームとして、どこに行ってもお手本となるよう、技術もそうですが、言動もお手本となってください。また、他の運動部の人も新人大会よく頑張りました。勝ち負けも大事ですが、それ以上に普段の練習を頑張ることが大事です。苦しさを乗り越えたときに、自分が大きく成長します。運動部だけではありません。吹奏楽部やクリエーション部にしても、3年生の受験勉強にしても同じです。

 これから段々と寒くなっていきますが、インフルエンザやコロナウィルスなど感染症対策をして、体調を整え、色々なことで自分の頭、体、心を鍛えていきましょう。