<校長室より> 少年式でのお話

2023年2月6日 12時04分

 立春を迎え、厳しい寒さの中にも、梅の香りとともに、春の訪れが感じられる頃となりました。昔の暦では、この

立春をもって新年とし、一年の始まりとしたそうです。この良き日に、少年式を迎える、二年生の皆さん、おめでと

うございます。

 皆さんの、十四歳という年齢は、昔の武士の元服の年齢であり、現在では少年法で、刑事責任を負い、刑事罰を受

けなければならなくなる年齢でもあります。これを大人への階段を上る大切な時期と考え、「自覚・立志・健康」の

三つをスローガンとして、愛媛県が全国に先駆けて始めたのが、この少年式です。

 この少年式を一つの節目として、今までの自分を振り返り、将来への見通しをもって、より成長していける心構え

をつくってほしいと思います。

 そこで今日は、短歌の歌集「一握の砂」で知られている石川啄木の言葉を紹介します。

「人は出会って知人になり、語り合って友となり、共に汗して仲間になる」

 石川啄木は、岩手県出身で明治の時代に活躍した人です。彼の人生は、まさしく波乱万丈と言えるものでした。

 その生き様は破天荒といわれる一面も、あったようですが、最後は、貧困のあまり病院にも行けず、薬も買えず病死してしまいます。そんな石川啄木の人生を、親身になって支えてくれたのは、彼をとりまく友人そして仲間たちでした。そんな人生であったからこそ、この言葉が遺されたのかと思います。

「人は出会って知人になり、語り合って友となり、共に汗して仲間になる」

 この先にも、皆さんには、多くの人との出会いがあると思います。その出会いを、一つ一つ大切にし、そして友や仲間を大切にしていってほしいと思います。

 今、世の中は新型コロナウィルス感染症の影響で大変な状況にあります。こんな時だからこそ、人と人とのつながりとか「絆」が、大切になると思います。

 最後になりますが、今のこの困難な状況を乗り越えて、明るい未来へと、皆さんが、夢や希望をもって、進んでいけますよう祈念いたしまして、式辞といたします。