<校長室より>3学期始業式 式辞

2022年1月11日 11時22分

 明けましておめでとうございます。

 例年より少し長い冬休みも終わりましたが、こうして皆さんの元気な顔を見ることができてうれしく思います。2学期の終業式でもお願いしましたが、新しい年を迎えるこの時期に今年の目標を決めることはできたでしょうか。目標のある人の目は輝いています。「継続は力なり」ということわざもあるように、その目標に向けて途中であきらめずに努力を続けてください。

 さて、今年は寅年ですね。寅は十二支の3番目で、子年に新しい命が種の中で芽生えはじめ、丑年には種の中で育ち、寅年は春が来て根や茎ができて成長する時期、草木が伸び始める状態だとされています。コロナ渦が治まり、世の中や皆さんがぐんぐん成長する年となるよう願っています。

 ところで、寅・・・といったら誰を思い浮かべますか。私は映画「男はつらいよ」の主人公「フーテンの寅」さんを一番に思い浮かべます。寅さん、知っている人?映画「男はつらいよ」は全部で50作あり、ほとんどが20年以上前の作品ですから知らない人も多いと思いますが、今でもテレビの再放送や動画配信で見ることができます。寅さんの何気ないセリフは名言だらけで、今日はその中から「勉強しなきゃいけない理由」と「生きていく意味」について紹介します。

 甥っ子の満男に「何のために勉強するのかな?」と問われた寅さんは、こう返しています。人間、長い間生きてりゃいろんな事にぶつかるだろう。そんな時、俺みてえに勉強してないヤツは、振ったサイコロの出た目で決めるとか、その時の気分で決めるよりしょうがない。ところが、勉強したヤツは自分の頭で、きちんと筋道を立てて、『はて、こういう時はどうしたらいいかな?』 と考える事が出来るんだ。」学がなく、フーテンとして過ごしている寅さんだからこそ言えるセリフで、「何かにぶつかったとき、それを打開するための “考える力” を養うために勉強するんだ」と寅さんは言っているのだと思います。

 次に、同じく甥の満男が落ち込んで「人間は何のために生きてんのかな?」と聞かれたときに寅さんは、こう返しています。「何というかな、『あぁ、生まれて来て良かったな』って思う事が何べんかあるじゃない。そのために生きてんじゃねえか?そのうちお前にも、そういう時が来るよ。まあ、がんばれ」人生楽しいことばかりではなく、むしろ苦しいことの方が多いかもしれません。その中で「生まれてきて良かったと思える事のために人間は生きているんじゃないな」と寅さんは言っているのだと思います。

 この二つのセリフは「勉強する理由」や「生きていく意味」について悩んだときのヒントになることでしょう。

 それでは、今年は昨年以上に、日々、笑顔、寅年だけに笑・顔(がおー)で頑張りましょう!新しい年の出発にあたり、しっかりとした目標をもって、大きく進歩発展し、成長する年となることを願って、式辞といたします。