<校長室より> 終業式でのお話

2022年7月20日 17時10分

 明日から42日間の長い夏休みを迎える皆さんに「やる気」についてのお話をします。

 脳科学者の池谷裕二さんによりますと、「脳は、作業を始めることによって興奮してくる」この状態を「作業興奮」というそうです。「やり始めるとやる気が出てくる」ということです。 

 テレビの前でゴロゴロしながら、「勉強」しなければいけないとは分かっていても、ついつい「やる気」がないからといって、ダラダラしてしまう。よくあることですよね。

 確かに、勉強の「勉(べん)」は、勉(つと)めるとも読めます。勉強の「強(きょう)」は、強(つよ)いとか、強(し)いるとも読めます。

 即ち「勉強」とは、その文字が表すように、強(し)いて、勉(つと)めてするものなのかもしれません。

 何もしていないのに、ある日突然、「やる気」に満ち溢れて「勉強」をしたくてたまらなくなる。なんていうことは、まずないということです。

 他の人を見てあこがれたり、他の人から励まされたりすることで「やる気」になることがありますが、付け刃(やいば)の「やる気」はすぐに失せてしまいます。

 本当の「やる気」というものは、自分自身が目標に向かって努力して、頑張っているうちに、少しずつ成果が出始め、自分なりに行けるぞと思い始めたときに、心の底から湧き上がってくるもの。これが本当の「やる気」だと思います。

 言葉が似ているだけですが、本当の「やる気」が「本気」なのかもしれません。

 特に、困難なものや苦手なものに対しては、最初から「やる気」のある人、「本気」になれる人なんていません。

 「自分の進路に向けて勉強を頑張る。」多くのの人にとって、困難で、苦手な事かと思います。 

 将来の職業や進路なんて、まだ、あいまいだし、その時になってみないとよく分からない。なんていう人も中にはいると思います。            

 目標も何もなく、ただ勉強を頑張る。これで「やる気」が湧いてくる人は、なかなかいないと思います。

 「やる気」になる。「本気」になる。そのためには、そうなるように自分を仕向けて行く「手立て」が必要であるということです。

 その「手立て」の一つが、目標を持つことであり、計画を立てることだと思います。

 明日からの夏休み。のんびり、ゆっくり過ごす時間も必要かとは、思いますが、是非とも自分なりの目標をもち、計画を立て、有意義な毎日にしてほしいと思います。